第3回 脱Excel!データマッピングのための質問票作成ガイド





はじめに
前回の記事では、データマッピングの土台となる評価テンプレートを作成しました。
しかし、実際に運用を始めようとすると、
「質問数が多すぎて、回答者がどこに答えればいいか迷ってしまう」
「自分に関係のない質問が多すぎて、回答のモチベーションが下がる」
といったフィードバックを受けることがあります。
そこで活用したいのが、OneTrustテンプレート作成の際の「表示ロジック」機能です。
今回は、回答者の回答内容に応じて動的に質問を出し分け、回答者の手間を最小限に抑える「スマートな質問票」の作り方を解説します。
表示ロジックとは?
表示ロジックとは、「特定の質問に対する回答内容に応じて、別の質問を表示または非表示にする機能」です。
例えば、「個人データを海外に転送しますか?」という質問に「はい」と答えた場合にのみ、転送先の国を選択する質問を表示させるといった制御が可能になります。
表示ロジックを導入するメリット
- 回答時間の短縮:回答者は自分に関連する質問だけに集中できます。
- データの正確性向上:不要な質問への誤回答を防げます。
- ユーザー体験(UX)の向上:複雑な条件分岐をExcelのように手動で追う必要がなくなり、スムーズに回答が進みます。
◆「表示ロジック」と「スキップロジック」
OneTrustには、回答者の負担を減らすための2つの主要なロジック機能があります。
| 表示ロジック | 「Aという質問に『はい』と答えた場合のみ、Bという質問を表示する」といった、個別の項目の表示・非表示を制御します。 |
| スキップロジック | 「Aという質問に『いいえ』と答えた場合、次のセクションを飛ばして最後に進む」といった、評価のフロー(進み方)を制御します。 |

◆どのように使い分ければよいか?
これら2つの機能は似ていますが、制御したい単位や画面の動きによって使い分けるのがスムーズです。
表示ロジックは「質問単位」の制御に適しています。特定の回答に応じて同じページ内に次の質問を即座に表示するため、1〜3問程度の深掘り(ドリルダウン)に最適です。回答者はページ移動なしでスムーズに回答を完結できます。
一方、スキップロジックは「セクションやページ単位」の大規模な制御に向いています。不要な章を丸ごとジャンプさせたり、評価を即座に終了させたりできるため、10問以上のまとまった質問が不要になるような大きな分岐で回答者の負担を大幅に削減できます。
作成時に迷ったら、以下の「目的」を基準に判断しましょう。
「その場でパッと詳細を聞きたい」なら 表示ロジック
「関係ない話を丸ごと飛ばしたい」なら スキップロジック
前回作成したテンプレートに表示ロジックを追加する
前回の記事で作成したオリジナルテンプレートに、動的な挙動を与える「表示ロジック」を追加しましょう。
今回は、質問票作成ステップの 「STEP 5:表示ロジックの設定」 を進めていきます。このステップの設定自体は必須ではありませんが、回答者はよりスムーズに質問票に回答できるようなるため、本稿でその設定方法を詳しく解説します。

今回設定するロジックの内容
回答者の入力ストレスを軽減し、必要な項目だけに集中して回答を進めてもらうために、特定の条件を満たしたときにだけ後続の質問を表示させる設定を行います。
具体的には、設問9「個人情報の保存先は社内ルールにのっとっていますか?」という質問に対し、回答が「いいえ」だった場合のみ、設問10「いいえの場合、どこに保存していますか?」が表示されるように設定します。
実際の設定では、表示を制御したい項目(今回の場合は設問10)に対して、「設問9が『いいえ』の時に表示する」という条件を紐付けます。

事前準備:ロジックタイプの確認
設定作業に入る前の準備として、テンプレートの設定が、設問の「表示・非表示」を制御するモード(表示ロジック)になっているかを確認します。
テンプレートの詳細タブにある「ロジックとスコア」の設定で、「ロジックタイプを選択する」のスイッチが「表示」になっていることを確認してください。

テンプレートに表示ロジックの設定を追加
それでは、前回の記事([第2回:テンプレート作成編])で作成したオリジナルテンプレートに、「表示ロジック」の設定を追加しましょう。
テンプレートのビルダータブをクリック
ロジックを設定したい質問(今回は設問1.10)の横にあるロジックアイコンをクリックします。

条件とアクションを設定
画面左側に表示される表示ロジックの設定パネルで条件を入力します。

表示ロジックは、「条件(もし〜なら)」と「アクション(〜する)」を組み合わせて設定します。
ここでは、「個人情報の保存先が社内ルールにのっとっていますか?」の質問に「いいえ」と回答した場合のみ、次の質問(設問1.10)を表示し詳細を尋ねる、というロジックを設定します。
| 条件 | 質問番号1.9「個人情報の保存先は社内ルールにのっとっていますか?」の回答が「いいえ」の場合 |
| アクション | 質問番号1.10「いいえの場合、どこに保存していますか?」を表示する |
実際の設定画面では、以下のように条件とアクションを設定し、「ロジックを保存する」ボタンで保存します。

設定の確認
ロジックが正しく保存されると、該当する設問にロジックアイコンが表示されます。

設定した表示ロジックの動作確認
設定した表示ロジックが、実際の評価(質問票)の記入の際に、どのように動作するかをテストします。
回答時の挙動確認
初期状態では、設問1.9の次の質問が設問1.11になっており、設問1.10は非表示になっています。

ここで、設問番号1.9の回答として「いいえ」を選択した瞬間に、設問1.10が自動的に挿入・表示されます。

今回は、OneTrustの表示ロジック機能の設定方法と、その動作確認について説明しました。
この機能を活用することで、回答者の状況に応じて質問内容を最適化し、より効率的で回答しやすい質問票を作成することが可能になります。
効果的なロジックを組むためのポイント
表示ロジックは非常に便利ですが、複雑にしすぎると管理が難しくなります。以下のポイントを意識しましょう。
- 「デフォルト非表示」を意識する
基本的には隠しておき、必要なときだけ「表示(Show)」させる設定が最もシンプルです。 - 階層を深くしすぎない
Aに答えるとBが出て、Bに答えるとCが出る……といった階層が深すぎると、回答者が全体像を見失う原因になります。 - プレビュー機能でのテスト
ロジックが競合して「進めなくなる」といった事態を防ぐため、作成後は必ず評価を開始(実施)してから表示ロジックの挙動を実際に確認してください。
回答者フレンドリーな質問票へ
表示ロジックの設定は、管理者にとってはひと手間かかりますが、その効果は絶大です。
「Excelの質問票では、行をスクロールして該当箇所を探すのが大変だった……」という現場の不満を、OneTrustの表示ロジック機能で解消しましょう。回答者がストレスなく答えられる質問票こそが、質の高いデータマッピング資産を構築する第一歩となります。
次回は、今回の「回答者の負担軽減」からさらに一歩進み、管理者の工数を削減する「自動化ルール」の設定方法について解説します。どうぞお楽しみに!

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